■ 投資ソフトウエア比較
世の中には数多くの家計管理ソフトウエアーが出回っています。株などの投資資産管理が出来るソフトも数多くのものがあり、それぞれ特 徴 がありま す。ここでは、投資産資管理機能を持つソフトとして代表的なマイクロソフト・マネー(MicrosoftMoney)、マネールック (MoneyLook)、マスターマネー(MasterMoney) の3者を家計管理機能は忘れて純粋な投 資資産管理ソフトとして見た場合の長所短所を私なりに、まめてみました。
投資資産管理ソフトとしてみた場合の不満点も挙げてありますが、家計管理ソフトとして総合 的に見た場合は、これら3ソフトは非常に優れものであることは間違いありません。特に金融機関口座からの自動ダウンロード機能は、 『カネゴンの自動損益集 計 ブック』では太刀打ちできません。が、私のようにものぐさで、気が向いたときにまとめて資産集計をするタイプの人間は、後から取引記 録をまとめて記入しさ えすれば損益の時系列管理が出来る『カ ネゴンの自動損益集計ブック』も便利なのではないかと思います。(もし、間違いなどがありましたらお知らせくださ い。)
また、いずれのソフトも体験版がありますので、使ってみて、ご自身の目的にあっているかを実際に試してみることもお勧めします。な お、下記のコメントは2009.5.1現在のもので、その後のバージョンアップにより状況が変わるものもあるかもしれません。
■Microsoft Money Plus Edition 書籍付き版
長所
- 資産管理ソフトの代表選手。したがって解説書やネット上の情報も豊富。
- 証券会社からは、現在の時価ではなく、取引記録の明細をダウンロードできる場合があるので投資の流れを把握できる。
- 市場価格もダウンロードしてくれて、現在の損益をレポートしてくれる。
不満点
- ちょっと高いかな…
- 機能が多いだけに、慣れるまで時間がかかる。インターフェースもわかりにくい。(慣れの問題かもしれないが、)
- 上と関係するが、ソフトが気が利きすぎて、かえって使いにくい部分がある。
- 資産の残高の履歴のグラフ機能は、最も欲しい機能なのだが、なぜか投資資産の時価は反映されない。(バグ?ネット上でも話題に なっていました。)
- 取引履歴がダウンロードできない証券会社も多い。(例えばSBI証券は保有情報はダウンロードできるが、履歴は対象外。マネック ス証券は履歴もダウンロード可能、など)
- 取引履歴がダウンロードできない証券会社でも、エクセルなどの外部ファイルからのインポートが出来れば、入力が大分楽だが、それ はサポートされていない。
- 同様に、エクセルへのエクスポートが出来る項目も限られているので、自由度が少なく、投資には使いにくい。
- オンラインサービスを受け続けるには、2年に一回アップグレード版に更新しないといけない。2009年5月時点では6800円。 使い続けているうちは、払い続けないといけない。
- 信用買いは直接的にはサポートされていない。(運用で対処できるが。)
- 外貨にも対応しているが、投資管理の面から言うと、使いにくい。
- 市場価格履歴との比較機能もあるが、単純に株価の市場価格履歴が表示されるだけ。これだと、ポートフォリオ全体が市場平均と比べ て良いパフォーマンスだったかどうかはわからない。(とはいえ、これを ディー ツ法 などできちんと評価するのは大変という事情はあるのでしょう。)
■Master Money 5 (マスターマネー 5)
長所
- MicrosoftMoneyの半額ぐらいで、お得感がある。
- ある時点での残高管理ではなく、取引資金の流れ(アクチュアルデータと呼んでいます)を管理するので、投資資産の時系列管理がや りやすい。
- レポート機能が充実。特に銘柄別運用取引明細 報告書が良く出来ている。
- 操作のインターフェースが直感的でわかりやすい。(少なくとも私には。)
- マニュアルも親切。(投資入力例も豊富に用意されている。)
- 証券の市場価格と比較して損益計算をしてくれる。
不満点
- 市場価格は自動ダウンロードではなく、自分でtxtファイルもしくはcsvファイルを作らないといけない。
- 電子明細データ取り込み機能が使えるのは、銀行、郵貯、カードのみで、証券会社は対象外!せっかくの使えそうな機能なのに、これ では投資管理には使いにくい。
- 運用取引の入力は一つ一つダイアログボックスを使って手入力しなくてはいけない。外部ファイルとのインターフェースをサポートし ている部分もあるのに、最も手間のかかる運用取引入力の部分で外部ファイルとのインターフェースをサポートしていないのは残念。
- 外部データの取り込み機能もあるが、投資アカウントは対象外。
- 電子明細データ取り込みはワンクリックではなく、一度、各金融機関もしくはAgurippaにログインしてファイルを自分のPC にダウンロードして、それを読み込む手順が必要。
- 外貨預金などには対応できるが、外国株式には対応できない。また、外貨預金の場合も、為替レートは自分で入力しなければならな い。
■口座管理ソフトマネールック3 (Money Look 3)
長所
- なにより、フリーなのがうれしい。
- オークション、ポイント、ヤフーメールの管理も可能。
- 登録金融機関の現在口座情報をワンクリックで一括自動ダウンロード。
- 各金融機関のIDとパスワードを登録しておけば、あとはYahooIDだけで各金融機関の自分の口座にログインできるようにな る。
- エクセルに出力も容易。
- スポンサー証券会社の口座なら、注文状態が一覧できる。
- 外国株などにも対応し、外国資産の自動ダウンロードも出来る。
不満点
- 口座管理機能では、保有資産の時価は一覧することが出来るが、損益がわからないので、投資管理ソフトとしては不満足。
- 銀行口座に関しては取引記録がわかるが、投資口座に関してはダウンロード日時点の保有資産の時価しかわからない。
- 残高推移表示機能も、取引記録を分析して自動的に決算期ごとの時価を計算するわけではなく、ダウンロードした時点での価格を時系 列で表示するだけ。しかも、ダウンロード日が等間隔でグラフ化されるので、1年間隔があいているときと1日しか間隔があいていないときが、同じ間隔でグラ フ化されてしまう。私のような、気が向いたときにしか口座管理しない人間では、すごく不定期な残高推移表示しか出来ない。
- 長期での投資トータルでの損益管理が出来ない。(もちろん、エクセルに出力した後、自分で管理することは可能ですが。)
- 対応証券会社は多いが、スポンサー証券会社が少ないので、せっかくの機能が使えないケースが多い。
- 基本的には口座管理ソフトであり、投資の分析を目的に作られたものではない。
■まとめ
以上、私の独断と偏見で、投資管理の側面からメジャー3種家計管理ソフトを比較してきました。自分自身で全ての家計管理ソフトを使っ てみましたが、カードの使用や、ポイント管理、オークション管理まで含めて、毎日の家計管理をしたい場合は、これらのソフトはなかなかの出来です。
ただし、世の中には毎日毎週、定期的な家計管理をする気はないが、投資損益は管理したいと思う人、もしくは家計管理は奥さん(もしくは旦那さん?)に任せ て、自分は投資資産管理だけしようという人、なども多いのではないでしょうか。そして、その投資資産管理も、定期的に行うというよりも、気が向いたときに まとめてやりたいという人も多いのではないかと思います(自分もその一人です)。
我田引水ではないですが、そういう人にとって、大手3ソフトに比べても、『カ ネゴンの自動損益集計ブック』はお役に立てるのではない かと思います。現代ポートフォリオリオ理論に基づいた資産評価と予想も行うことが出来ます。是非一度、試用版でお試しください。
カネゴンの自動損益 集計ブック | MicrosoftMoney | MasterMoney | MoneyLook | |
口座からの ダウンロード対応 |
× | ○ (金融機関による) |
× (証券は対象外) |
△(保有残高のみ) |
履歴の記録 | ◎ | ◎ | ◎ | × |
損益履歴グラフ | ◎ | × | × | × |
市場価格の 自動ダウンロード |
◎ | ◎ | × | ○ (保有残高という意味で) |
外国株対応 | ○(米、香港) | ◎ | × | ○ (円換算時価管理) |
外部ファイルからの読み込みorコピペ | ◎ | × | △ (一部csvで可) |
× |
信用取引 | ◎ | △ | ○ | - (取引形態は不問) |
リスクリターン値 計算 |
◎ | × | × | × |
価格 | 1980円 | 11500円 (書籍付き) 2年ごとに費用発生 |
6279円 | フリー |
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