■ お勧め 投資・金融本

投資・金融本は、歴史的名著、良書と言われるものから、ほとんど有害本まで、玉石混合です。投資オカルト本を娯楽として楽しむことを否 定はしませんが、それはある程度の投資理論を理解してから、エンターテイメントとし て読むようにしたほうが無難でしょう。以下では私が読んだ実際に読んだ中で、友人にも自信を持って薦めることが出来ると思う本を紹介します。

な お、お勧め度5は絶対に読んでもらいたいもの、お勧め度4は大変参考になるもの、お勧め度3は万人に必要ないかもしれないが進んだ知識を得たい人向け、お 勧め度2は私自身何度も読み返したもの、お勧め度1は投資を趣味として楽しむために読んで知っておくと良いと思う本と言う基準で私の独断で決めたもので す。また、ジャンル分けも適切でないものもあるかもしれませんが悪しからず。


ジャンル:投資の心構え


■『投資戦略の発想法』 木村 剛 著


お勧め度:4

 巷に溢れている「株で1 億円もうけました」的な本に影響されている人は、是非本書を真剣に読んでから投資を始めて欲しいと思います。2年間の生活防衛資金と言う条件は厳しすぎる と感じる人 もいるかもしれませんが、投資にはそれぐらい冷静確実なスタンスで取り掛からないと大失敗をするという警鐘でしょう。本書はその他にも投資全般について 知っ ておくべき知識が書かれており参考になります。また、巻末のお勧め本一覧も役に立ちます。

■『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』 藤沢 数希 著


お勧め度:4

 本書前書きにある通り、正しいファイナンス知識の何倍もの 量のオカルト情報がメディア に溢れかえっている現実を憂いて書かれた本。上 の木村氏の著書同様、投資でギャンブルをしたい人には不要だが、投資で資産形成を考えている人には、必読の書。


ジャンル:教科書


■『いま債券投資が面白い!』 前川 貢 著


お勧め度:4

 本書は数少ない債権投資の初学者向けの解説本です。債権投資は派手さが無いせいか、一般向けの債権投資の本は少ない が、本書を読む と個人投資家ももっと債権に興味を持ち、自分の資産にバランスよく加えていくべきだと言うことが良くわかる。

■『資産運用のパフォーマンス測定』  砺波 元 著


お勧め度:3

 資産運用の収益率とリスクの計算を丁寧にわかりやすく解説した好著。金融機関の若手社員向けと言うことだが、少なくとも 本書前半部分 は個人投資家にも参考になります。「カネゴンの自動損益集計ブック」作成時にも参考にしました。


■『現代ポートフォリオ理論 講義』 根岸 康夫 著


お勧め度:3

 専門家向けではないポートフォリオ理論の教科書として書かれた本。ポートフォリオ理論をこれから学ぼうと考えている個人 投資家にお勧 めの入門書。興味のある章から読み進めれば良いでしょう。


■『科学的株投資術』 KAPPA 著


お勧め度:2

 大枠ではバリュー投資本であるが、本書では統計的事実に基づいて、効率的市場仮説では説明しきれないアノマリが存在する というエビデ ンスを提示しています。具体的な投資指標も示されているので、個別銘柄をスクリーニングしたい人には参考になります。インデックス投資派の人も、思考実験 として読んで面白いでしょう。

■『統計学入門』 東京大学教養学部統計学教室 編


お勧め度:1

 投資本ではなく純粋な統計学の本だが、要領よくコンパクトにまとまっており、ポートフォリオ理論学習の参考書として有 益。


ジャンル:読み物&実用書


■『ゴミ投資家のためのイン ターネット投資術入門』 海外投資を楽しむ会 編著


お勧め度:3

  効率的市場仮説や現代ポートフォリオ理論を豊富な逸話とともにわかりやすくかつ面白く解説。また、エクセルを使って実際にリスクリターン図や有効フロン ティアを作図させる部分は他では見ることが出来ない。後半の海外投資部分は、低コストで海外ETFが購入できる昨今となっては内容的に古くなったが、それ でも全体としては充分面白く読める。


■『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』 橘 玲 著


お勧め度:1

  橘氏のほかの著作同様、面白い物語の中に実用的な内容がちりばめられており、気楽に読める投資理論本としてお勧め。人的資本も含めてリスク許容度を計算 し、金融資産に10倍のレバレッジをかけるという部分を実践できるほど度胸のある人は少ないだろうし、異論も多いかもしれないが、全体としては正統的な効 率的市場仮説と現代ポートフォリオ理論に立脚している。


ジャンル:読み物


■『ウォール街のランダム・ウォーカー』  バートンマルキール著


お勧め度:5

 投資の歴史から金融の基礎、投資戦略、現代投資理論などを正統的な効率的市場仮説の立場で詳しく解説。やや保守的と感じ る人もいるか もしれないが、投資の基本を理解するうえで必読の書。また、翻訳もうまく、読みやすい。


■『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』 北村 慶 著


お勧め度:4

 軽い書名とは裏腹に、内容はポートフォリオ理論を年金資金運用戦略などの具体例に基づいて解説した読み物。投資初心者か ら上級者ま で、参考になるだろう。


■『お金をふやす本当の常識』 山崎 元  著


お勧め度:4

  山崎氏独特の明快な切り口で、投資家が金融機関にだまされないようにするための考え方が示されています。株、債権にとどまらず、生命保険、住宅ローンにつ いても深い洞察が書かれています。本書を読んで金融リテラシーを向上させておけば、悪質電話セールスを論破することぐらいたやすいでしょう。


■『医療保険は入ってはいけない!』 内藤 真弓 著


お勧め度:3

  本書は投資本ではないが、多くの人が投資以上にお金をつぎ込んでいる医療保険について、本当はどの程度の保険に入ればいいのかを、中立的な立場で書いてあ る。上の山崎氏の著作でも生命保険についての言及があり、それとあわせて読むことで、保険会社に踊らされて不必要な保険に入ることが無いようにしたい。


■『金融広告を読め』 吉本 佳生 著


お勧め度:3

 消費者を巧妙にだますような金融広告の見抜き方を、多くの実例とともに示した本。本書を読んで、金融機関のだましのテク ニックを見破 ることを楽しめるぐらいになりましょう。


■『LTCM伝説』 ニコラス・ダンバー 著


お勧め度:2

 大型ヘッジファンドLTCMの破綻を題材に、現代ポートフォリオ理論と金融工学の発展の歴史をノンフィクション小説化。 金融理論の巨 人たちの人となりにも触れることが出来、金融理論も身近に感じることが出来るようになる。



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